Speaker
Kanako Narita
Description
極高エネルギー宇宙線の発生源解明には、到来方向と対応する電磁波放射を組み合わせたマルチメッセンジャー観測が不可欠である。ブレーザーは、極高エネルギー宇宙線の有力な発生源候補として注目されている。相対論的ジェットが視線方向を向いた活動銀河核であるため、ジェットのエネルギー輸送や高エネルギー粒子加速の物理を詳細に調べることができる。ミリ波放射はジェット基部に近い領域の非熱的シンクロトロン放射を直接トレースするため、高エネルギー粒子加速との関係を探る上で重要な観測量である。しかし、これまでのミリ波ブレーザーサンプルはPlanck Collaborationによる全天サーベイが中心であり、角度分解能が数分角と粗いことから星形成銀河の混入を受けやすく、さらに感度の制約から暗いブレーザーの統計的研究は十分ではなかった。本講演では、ALMA較正天体アーカイブを活用して構築した約600天体からなるミリ波選択ブレーザーサンプルFALCONを紹介し、Band 3(約100 GHz)、Band 6(約230 GHz)、Band 7(約345 GHz)の各帯域においてミリ波光度とガンマ線光度の有意な相関を示すとともに、より高光度なブレーザーほど両者の相関強度が系統的に低下することを報告する。さらに、ブレーザーからなるALMA較正用天体のアーカイブを自動解析するパイプラインALMAQSOを紹介し、GCOS時代における極高エネルギー宇宙線候補天体の迅速なミリ波フォローアップやアーカイブ解析への応用可能性について議論する。